------去年から今年にかけて、自動車メーカーのイベントのレセプションでの展示や、企業団体のパーティー会場での作品展示、ダンスコスチュームへの作品イメージの提供などがあり、香菜子さんのアートを目にする層が広がってきたように感じますが、今後の可能性が広がったと思う事はありますか?
今まではテキスタイルアートのお仕事をブランドとのコラボレーションでやってきたけれど、ダンスのコスチュームという、アートを舞台上で新たに表現してもらう、という事は初めてで。作品にまた新しい命が吹き込まれている感覚でした。
絵が物語の一部になり動く、もちろん動画やアニメーションとは違う生の動き方で。
そういった命の吹き込まれ方をしたというのは、私の中で可能性が増えた機会だったなと強く思います。
ある意味私の意志とは別の感覚が更に加わることによって、また違った広がりを見せた作品になる。というのがすごく面白いなと!!
嬉しいしワクワクしました。それが色々な客層の方に見ていただけるというのは、とてもありがたいことでした。
------空間というキーワードが見えてきたという感じですね。
今、アートとして音や光、五感を刺激するような空間を、
みなさんが体感する機会はたくさんありますし、私もお仕事
で色々な技術を持ったアーティストの方々とコラボレーショ
ンする機会もあり、空間演出というのはとても身近に感じて
いて。
私の脳の中で起こっていることを現実世界でそのまま表現さ
れた、現実世界では起こりえないこと空間とキャンバス作品
との融合をさせてみたいです。
常々、非現実的なことを妄想する癖があるので、そういうの
も活かされそうな気がしています(笑)。
------表現の可能性ですね。面白いです。楽しみですね!香菜子さんの脳内世界を体感できるものができたらいいですよね。
------商業化されるビジュアルデザインのお仕事と、自己表現としてのアートの制作。お互い影響しあっている部分や取り組み方が違うと感じる部分は、今の段階ではどういったものがありますか。
そうですね、「絵を描く」という事は共通していることだし、どちらを意識を高く、という事は全くないですが、「使う脳が違う」という感覚です。使う技術は一緒だけど、考え、答えを出す脳が違う。私はどっちもないといけない身体になっています。
クライアントの要望に、どう自分の感性で答えるか、表現したものがより良い効果を生むにはどういう表現が良いのか。を提案し表現するということを長年やってきていて、それとは別に自分の感性、誰の意見でも無い自分の意志をぶつけるアートの制作、その二つがあることで今の私が保たれています。
自己表現の力が高まれば高まるほどより広くて深い意識を、広告やパッケージ・テキスタイルアート・ライブペイント等のお仕事へ反映できるし、クライアントワークと取り組むことによって、個展やなにか自己表現するという際に、ただ作品だけでは無くて全体像を見られる、俯瞰で自分の作品を見ることができると考えているので、両方私にとっては必要ですね。
------影響しあっているという言い方よりは、こちらがあってこちらもあって、両方大切にして良い作用をしあっているイメージですね。
それが自分の精神的な強さとかにもなっているかも。
今まで限られた少ない時間の中でやり遂げるクライアントワークの中でやってきたこと や、長時間ライブペイントをするという経験からは、体力もそうですしペース配分の能力も培われました。制作に没頭できる集中力だったりとか、体力だったり、そういう事も今までがあったから磨かれたことでもあると思うから、やはりどっちも重要です!
------どちらも大切にしてるからこその香菜子さんらしさですね。
これからもそうでありたいです!