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思考を止めない 

佐々木香菜子 2023年インタヴュー

二年ぶり二回目となるインタビュー。

この二年間全力疾走、新しい作品も多数生まれ、アートに関するイベントや作品イメージを起用したコラボレーションも
更に増えてきた佐々木香菜子さん。現在のこととこれからの展望を聞いた。

------本日はインタビューよろしくお願いします。二年ぶりのインタビューですね。 以前は大丸心斎橋店での個展のタイミングでした。

この二年間のアート制作、本当にタイトなスケジュールだったかと思います。 そこで早速なのですが、目まぐるしい流れであったであろうここ二年で、ご自身が経験された新たな気づき、意識の変化、それに伴う作品の変容について、加えて今後の展望をお聞きしていきたいと思います。

特に昨年の六本木ヒルズのADギャラリーでの個展「存在」から仙台での個展「birth」までは短い期間の制作でしたね。短期間で沢山作品を作るタイトなスケジュールでの制作はいかがでしたでしょうか。

4月のADギャラリーさんでの個展「存在」は自分にとっては夢みたいな事でした!東京で皆さんに見てもらう事は目標の一つだったので、それが実現するという事で当然気合も入りました。

そちらに加えてこれも目標の一つで、いつか絶対にやりたかった、故郷、仙台での個展(「birth」)を6月に開催させていただくことが決まり。

普段のクライアントワークであるライブペイントや、ファッションブランドとのコラボレーション、色々なことがその時期に一気に重なったので、やるぞ~!!というやる気満々な気持ちで心躍っていたけれど、その反面とてつもなく高い壁がいくつも出没して、緊張、試練の毎日だったなぁというのが思い出されます。

頭の中はずっと作品の事や色々な不安との闘いで、なんというか、ヒヤヒヤヒリヒリする毎日を送っていました(笑)

------過酷な日々だったかと思います。そのなかで支えになったものはどのようなものでしょうか。

いつも思うことではあるのですが、特に仙台での個展は、本当に周りの人に支えられて実現できたことでした。

たくさんのクリエイティブな仲間にも助けてもらい、そういった支えがなかったら私はきっと作品も集中して描けなかっただろうし、無事個展自体も終えられなかったなと。。。

周りの人たちの暖かさとか、信頼、感謝の気持ちを感じながら制作をしていました。

制作に関しては、作品の点数がたくさん必要だったので …… なんだろうな、とにかく描く!!生活は二の次!!!「描く」ことしか考えていなくて。

終わりがなかなか見えない日々の不安が常に付きまとってはいましたが、そこは未来への希望で払拭しながら進めていました。

「作品を見てこういう気持ちになってほしいな」「個展で作品を発表した後こういうことをしたいな」など、そういう個展中や個展後の未来を妄想することで自分を奮い立たせて、自分をコントロールして、作品を未来につなげていくような気持ちであの時期を乗り越えたと思います。

------意識をやはり未来にむけて前向きに取り組まれていますね。この作品がこうなったら素敵だろうなという事をイメージされて

そうそう!そうですね!

「たくさんの人に見てもらえたらいいな」とか、あと「やっと見てもらえる!」とかそういったことを常に考えていました。

今思えば、よくあの量をあの短期間で描けたな!よく生きてたな(笑)と思います。 とても過密なスケジュールだったけれど、”あの時使った脳”とか、”あの時使った心臓”があったからこそ今の制作ができていると感じます。

あの時があってよかった、この経験をさせてもらってからやっと自分の作家生活、作家人生の本当のスタートに立った気がしています。奮い立つような時期、経験でしたね。

------あの時の経験が確実に糧になっているかと思います。本当にタイトに次々と制作、お仕事が続いていましたもんね。

 

なんか若干、記憶すらなくなっちゃうような忙しい日々で(笑)

------極限まで集中している状態ですね。

はい、作品は自分の意思の表現が必ずそこに無いと意味が無いことだから、

当たり前のことかもしれないけれど、そこは絶対ブレないように描いていました。

とはいえ、やはり体は一つだし、時間も一日24時間。その中でどう制作を進めて行くのか。

あと描くスペースの問題も。

描く場所、乾燥する場所、置いておく場所が必要で、自分のアトリエもすごく広い場所というわけではないので、効率的にどうやって行くかというスケジュールを組むことも大事でしたね。

あとは、心身ともに病気にならないようにはとても大事……とにかく、すべてに神経をとがらせていました。

今同じことができるか、と聞かれたらもうできないような気もしているし。

ただ、やるならもっとその上をやりたいとか、過去にできたことを超えたい。

もっとそれを超えた何かっていうのにはチャレンジしていきたいという意識は常にあります!

------更新していきたいという気持ちが前提としてあると

そうですね、こういう風に前向きに取り組めるのも、その過去を超えたいという意識のおかげだと思います。

あとは夢と現実が合致するタイミングが多かったというのも常に止まらずにいられた理由の一つかもしれません。

家族の事情で、できることならあの時期に絶対にやりたかった仙台の個展のお話をいただき、決定し、会場の予定としてもあの時のタイミングじゃないと開催できなかったという。

絶対的なタイミングにガチっとハマった気がして。

「このタイミングこそ、やるべき!」と伝えられているかのように重なって、

自分もやり切れました。そしてやはり自分だけでは成し遂げられなかったので、周りの皆さんのご協力に感謝しています。

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