top of page

------では次は最近の話題で、先日終了した個展「MOVE」について。

青だけ、それも青の「REBORNシリーズ」の作品のみでの展示、という事で今回の作品全部完成してみての感想や制作時の事をお聞かせください。

青だけの作品の空間を作りたいとは昔から思っていて、周りの人にも夢として話をしていたことでした。

それを何のためにするかという十分な目的やタイミング、開催するに値する確固たるナニカ。がなかなかはっきりと見つからなかった部分がありました。

その上、去年開催した個展「存在」と「birth」を経た一年半の間に、私の周りでは良いことも辛いことも沢山起きまして。

イメージとしては私の青い世界の天にも地にも穴があき、至る所から物質が入り込み、核を引き裂いたり修復したり、波や風でさらっていったり、そこに光が照らされたり。自分の中で「思考を止めない」という、表現する上での大きなテーマがありますが、その思考が天地を猛スピードで行き来するかのような感じで心身ともにハードでした。

そういった一年半を過ごし、じゃあその核の色である「青」は今後私にとってどんな意味があるのか。どのように表現していくのか。という自分自身へ問いかける時間が訪れ、やっと答えを見つけられたタイミングが先日の「MOVE」という個展でした。

新たに一歩踏みだし前進する、知らない間に止まっていたコトの再生ボタンを押し、進化への挑戦を始める、そういったことが「青い個展」を表現したい!と強く感じ、自分のこれからの進む理由というか、描いていく理由というのが表現できた個展だったかなと思っています。

------やはり今回もその時でないとならなかった気がしますね。制作中はどのように作品と向き合われましたか。

作品を制作しているときは、個展タイトルのMOVE という名前と、作品タイトルの REBORNのテーマの通り「進化する」とか、それをどう表現したら納得がいくものになるのか。を基本に制作と向き合いました。

色々な画材で実験したり、REBORNという概念そのものをより深く考えてみたり。

考えすぎて、そもそも進化って何よ。。 にも正直なりました(笑)。

人に相談して答えが出るわけではない問題なので、とにかく悶々と悩んだ制作期間でしたね。

------沢山悩まれた結果、すごくいい個展になったと思います。

やはりこの悩んだ期間も、無いといけなかった、自分にとってやらなきゃいけなかったことだったなと感じます。

何一つ無駄なものはなかったというか、苦しいところも勿論ありましたが作品に対して真摯に向き合えた大切な日々でした。

------表現に真摯に取り組まれていますよね。

 

むしろ今までの自分が甘かったんじゃないかという意識にもなり、さらに自分への鞭が増えそうです。

------積み重ねたものが全て反応しあっている空間になっていましたよね。

個展「MOVE」をご覧になった方々からもそういった反応をいただきとても嬉しかったです。

前から私の作品を見ていた方も「変化した!」とか「何か変わるきっかけがあったの?」

と、私の心や意識・作品の進化を感じてくれたことが印象的でした。 

作品の前で立ち止まり、 REBORNの世界に没頭してくださってた方、自分の人生や今の生活と重ね合わせて感じてくださる方、

一度だけでなく三度四度と個展に足を運んで見に来てくれている方もいて。

自分の家族のことを話してくれたりとか、作品の前で涙してくれたりとか。

ある時、作品を見て「佐々木さんの青は冷たくなくて、温かく包まれているようですね。心地が良いです。」という感想をくださった方がいました。

私が「この青の表現は母の子宮の中のイメージから生まれたものなんですよ。」と伝えるとすごく納得されていて。

ちゃんと個展で表現したかったものを伝えられたことを実感できました。

------様々な反応がありますが、やはり意識だったり思いだったりとか向き合っているものがお客さんに見て伝わる瞬間があるっていうのは真摯に取り組んできた結果ですね。いい瞬間を表現した、香菜子さんの作品への思いっていうのがちゃんと体感できる空間だったと思います。

230919_U6A4660_fin.jpg

個展 "MOVE", 六本木ヒルズ A/D ギャラリー

12345678

bottom of page