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------少し重複するのですが仙台での個展のbirth、仙台三越の90周年プロジェクトなど地元への貢献というか、故郷に錦を飾ったことと言いますか、地元の方々に作品が浸透していっていることへの、香菜子さんの思いをお聞かせください。マイアミ、というか、世界から仙台、地元にって話になりますけど。

マイアミから仙台へ。というとなんか、、かなりおこがましく恥ずかしいのですが(笑)

------いえいえ、世界から故郷仙台!大事な、香菜子さんのルーツの故郷への思いもお聞かせください。

今より若いころ、故郷と離れて夢を追いかけたい!という気持ちもあり、就職のタイミングで東京

に来ました。あるあるですよね。きっと(笑)。

けれど自分のルーツを考えたりする年齢になって、経験値も増えると、改めて家族・友人の大切さ

を感じたり、今があるっていうのはやはり過去があるからだし、周りの人々のおかげで、今の自分

を作っていけたのだなと考えるようになりまして。

今まで離れていた分、やはり故郷というものに、恩返しというのはちょっと違うかもしれないので

すが、、絵を通して、活力だったり、楽しさ、ワクワクするようなこと、地元の方々が何か心温か

くなるようなものができないかなぁ。というのはここ数年ずっと考えていました。

そこに奇跡的なタイミングで、せんだいメディアテークでの個展「birth」の開催が実現し、その個

展をきっかけに三越90周年という大きなプロジェクトが決まり。そしてライブペインティングのプ

ロジェクトが進むなど、仙台の人に作品を見ていただく機会ができたことは、夢が叶ったことの一

つだなと感じています。

仙台三越90周年のプロジェクトでは、店内にとても気持ちが良い吹き抜けの「光の広場」という

空間があるのですが、そこに15m×7mの巨大タペストリーの作品を展示していただきました。

90周年のセレモニーもあり、皆さんにお披露目され、私自身も感激でいっぱいでしたが、タペスト

リー前で立ち止まったお客様から「この絵を※を見ることができて心が動かされた。家から出てき

て良かった」と沢山お声がけいただいたのが印象的でした。

コロナ禍や、そしてやはり今でも震災の事も東北の人々の心に確実に残っていますし、外に出ると

いう事が億劫で憂鬱な気分になっていた方々が、たまたまあの通りを歩いて巨大タペストリーを見

上げ、「ああ外に出て良かったな、未来へ繋がっている気持ちになったよ」と涙声で言ってくださ

ったことに、私の心も救われましたし、思わず涙してしまいました。

まさしくそういうことを自分がやりたかったことだなと感じて。

そしてこれも、多くの方の支え、協力があり、実現していったプロジェクトでした。

感慨深いお仕事でしたし、奇跡のような事ってあるんだなぁと感じました。

------お話を聞いていますと、すべての企画が早すぎても香菜子さんの意識としては違ったかもしれませんよね。こう、地元に何かやはり、活力を与えられたらなという意識が構築された今だからこそ表現できたものというか。

そうですね、その時じゃなかったらできなかった事かもしれない、もうちょっと若かったら違ったかもしれません。

今だからこそ色々な想いと経験が相まってできたように思えます。

仙台で作品を見ていただく機会を経て、身の周りの人達だけじゃなく、絵を通して日本全体との関わりを広げたいと感じるようになりました。作品で生命力があふれるようなきっかけになることが、私の絵を描いていく意味というか作品を作っていく意義なのではないかと考えるように。

豊かな自然や、産業、素晴らしい地域性がある場所は日本にたくさんあり、それを生かしたコラボレーションも今後はやってみたいです。

地域再生!とか、大きくは掲げられないけれど、地域と人々の心を潤すような、心が動くような表現をして行くということも、人生の目標の一つになっています。

------香菜子さんのそういう意識が地元からどんどんプラスのエネルギーをもって広がっていって、そうなるとやがて世界にも広がっていくことが想像できますね!絵を描く意義も更に強いものになっていくと思います。

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"REBORN 90"
KANAKO SASAKI  x  SENDAI MITSUKOSHI 90th
仙台三越 定禅寺通り館1階 光の広場 吹き抜け

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